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ものづくり日誌

2023/11/14小川組建築部豆日記 第1回 「用語を掘り下げてみよう ①」

いつも小川組のホームページ、ならびに「ものづくり日誌」をご覧いただきありがとうございます!総務部Kです。
今回より、ものづくり日誌ではちょっとしたミニコーナーを行うことにしました!
題して......

小川組豆日記」です!🌱

アセット 61.png

きっと、今この記事を見てくださっているほとんどの方が「豆日記とは......?」となっていらっしゃると思います。
簡単に説明させていただくと、「小川組の建築部をより身近に感じていただくために、様々な角度から『小川組』や『建築部』、そして根幹の『建築』について書いていくコーナーになります。
なので、本当にちょっとした日記、「豆日記」と命名させていただきました💡

そんな「豆日記」の第1回は......「過去のブログに書いてある用語を掘り下げて学ぼう!」をテーマに展開していきます。



 さてさて、「小川組ものづくり日誌」の最初のブログ記事となると、古くは2017年にまで遡ります。
なんともう6年も前!月日が経つのは早いですね...👀
その時は「中野区Kマンション」についてのご報告をさせていただきました。
もし「まだ読んでいないよ」という方は初回のリンクを貼っておきますので、ぜひお時間があるときに読んでみてくださいね。

中野区Kマンション新築工事①RC造(地縄張り~⼭留⼯事) | ものづくり日誌 | 小川組 (ogw-net.co.jp)

タイトルには2つの工程がメインで取り上げられています。
地縄張り』と『山留工事』。
これら2つをキーワードに、ブログをさらに読みやすくできるように掘り下げていきましょう。


 まず、地縄張りとは、簡単に言えば建物の基本となる位置や高さなどを設定し、目印をつけることです。
そのため、当然ながら様々な工程がある建築工事のなかで一番最初に行う作業になります。
上記のブログでいうと、No.1からNo.3までの写真がそれに該当します。
基準となる設計図を見ながら、問題がないかチェックしている様子が丁寧に描かれていますね。
測量用の機械、スチールテープなどを活用しながら慎重に行い、この作業を終えることでようやく本格的な工程に進むことが出来ます。


 続いて、山留工事とはいったい何でしょうか?
建設に関わっていない人からすると、そもそも想像することも難しいかもしれません。
ではまず、「山留」という言葉の意味から調べてみましょう。

やま‐どめ【山止(め)/山留(め)】
1 山への立ち入りや山での狩猟・採取を禁止すること。
2 鉱山などで、土砂の崩壊を防ぐこと。また、その構造物。
(出典:デジタル大辞泉)

山留工事は上記のうちから転じ、「地盤掘削を行った際の崩落、近隣の地盤沈下を防ぐ工事」を指します。
ブログではNo.11からNo.12までの写真が該当します。
簡単なまとめを作成しましたので、まずはそちらのチェックからしていきましょう。

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📝山留工事に関連する内容のまとめ
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【山留工事】 ... 崩落や地盤沈下を防ぐための工事。ここでは大きく4つに分類します。

1.地山自立工法(じやまじりつこうほう)
山留め壁 ※1 オープンカット工法 ※2 を行わずに根伐(ねぎり) ※3 を行う工法

2.法付けオープンカット工法(のりづけおーぷんかっとこうほう)
角度をつけ、地盤を削る工法

3.山留め壁オープンカット工法(やまどめかべおーぷんかっとこうほう)
山留め壁などの支保工 ※4 を設ける工法

4.特殊工法
従来の方法では山留工事が難しい場合に使う特殊な工法
多数アンカー式補強土壁工法などがこれに該当
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※1 山留め壁(やまどめかべ):周辺の地盤が崩れないようにする壁のこと
※2 オープンカット工法:根伐/根切(ねぎり)を行う際に、地盤が崩れないように傾斜をつけて地面を掘ること
※3 根伐/根切(ねぎり):建築物の基礎を作る際に地面を掘る工事のこと
※4 支保工(しほこう):山留め壁などの対象物が崩れないように支える仮設設備のこと


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【山留め壁】... 周辺の地盤が崩れないようにする壁のこと。ここでは大きく6つに分類します。

1.シートパイル工法=鋼矢板工法(はがねやいたこうほう)
凹凸がある幅400mm程の鋼材を掘削範囲に順次打ち込み、それらを緊結 ※5 し、そのまま山留め壁とする工法

2.親杭横矢板工法(おやぐいよこやいたこうほう)
親杭 ※6 を打ち込み、100cmほど柱芯間の距離を空けて打設し、その後掘削を進めながら親杭同士の間に横矢板 ※7 をはめ込んでいき、山留め壁とする工法

3.地中連続壁工法(ちちゅうれんぞくへきこうほう)
地中に連続したコンクリート壁を作り、それを山留め壁とする工法

4.既存躯体を使う工法
既存建造物が残っている場合にそれを山留め壁とする工法

5.鋼管矢板工法(こうかんやいたこうほう)
大きな鋼管を打ち込み、それを山留め壁とする工法

6.ソイルセメント柱列壁工法
掘削する箇所の土を主原料とし、それらをセメントと混ぜ合わせたものを山留め壁とする工法
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※5 緊結(きんけつ):留め具などで結合すること
※6 親杭(おやぐい):最初に地盤に打ち込む杭のこと
※7 横矢板(よこやいた):土中に打ち込む板状の杭のこと


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【支保工】... 山留め壁などの対象物が崩れないように支える仮設設備のこと。ここでは大きく6つに分類します。

1.水平切梁工法(すいへいきりばりこうほう)(=切梁工法)
山留め壁だけでは支えきれない土圧・水圧などに対し、突っ張り棒のようなイメージで支える工法

2.アンカー式山留め工法(=地盤アンカー工法)
山留め壁内部にアンカー孔を開け、そこにセメントやモルタルなどを注入して地盤に固定し、それらと引張材を緊結させ内部から崩落を防ぐ工法

3.アイランド工法
中央に基礎を、斜面に切梁を作り、掘削を行う工法

4.控え杭タイロッド式山留め工法(=タイロッド工法)
控え杭 ※8 と山留め壁をタイロッドという引張材で繋ぎ、山留め壁を支持する工法

5.タイブル工法
基本的な作業内容はタイロッド工法と一緒ですが、タイブル工法ではケーブル状の部材を使用します

6.逆打ち工法(さかうちこうほう)
地上の建築物を作り、それを支保工にして地下空間を施工していく工法
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※8 控え杭(ひかえぐい)...建造物が傾くのを防ぐ杭


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中野区Kマンションでは、「親杭横矢板工法」「切梁式工法」を採用した、とブログに記載がありますね。
つまり、地盤沈下などを引き起こさないために、「山留め壁オープンカット工法(親杭横矢板工法+水平切梁工法)」を行った、ということになります。

いかがでしょうか?
ほんの少しでも、ブログを読む助けになれていたら大変うれしく思います。

 今後もこの「豆日記」では、様々な内容を書いていきます。
そういえば更新されたかな? ......なんてラフな感覚で、ふらりと見に来てくだされば嬉しいです。

それではまた次回お会いしましょう🌱


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